遠隔地への荷物は大赤字

宅配便は個人の利用者をターゲットにすることで、飛躍的に 伸びました。かつての運送業界は企業が出す荷物を 大量に運ぶことで利益を得ていましたが、宅配便は 個人のバラバラな荷物でもまとめて運べば利益になるという 発想から生まれました。
利益を生んでいるのはやはり人口が密集している地域の荷物。 まとめて集荷、配達を行うことによりコストを低減することができます。 場合によっては100円ほどで集荷・配達ができているのです。 これに対して遠隔地に1個だけ荷物を届ける、という仕事に関しては 利益を生むどころか人件費やトラック代金、ガソリン、高速料金等 で大赤字なのが実情です。
しかし「その場所は届けられません」といってしまっては利用者が 増えませんし、安心して届けてもらうことができませんん。 あくまで日本全国のネットワークを展開していることが強みです。

集荷の荷物はほとんどがトラックで運ばれ、飛行機を使うのは 沖縄等のごく一部。一人のドライバーが担当しているエリアは 意外に小さく、こまめに回ることで多くの荷物を集配でき、 スピードアップが実現できるのです。

集まる荷物が多くなれば一人の受け持ちエリアは小さく、さらに スピードアップできます。 総業当時の宅配便はなかなか認知されず、ネットワークもできていなかったので 時間もかかり、全く採算がとれていませんでした。 かつて個人の荷物は鉄道の駅や郵便局に出向いて厄介な 手続きを踏まなくては送ることも受け取ることもできませんでした。

しかし一旦その便利さが知られるようになるとネットワークができ、 利用者も増え、利益がうまれるようになったのです。